【群馬県】令和8年10月施行のヤード条例|既存業者が今すぐすべき事前対策

群馬県のスクラップヤード(再生資源物屋外保管事業場)にて、行政書士と事業者が10月施行の条例に向けた許可申請用の図面や設備改修の打ち合わせをしている様子

【本記事の要約(結論)】

  • 群馬県の「再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」は、令和8年(2026年)10月1日に施行されます。
  • 事業場面積100㎡超、かつ重機(揚高3m超のフォークリフト等)を使用する屋外保管事業が許可制の対象となります。
  • 既存事業者は、施行から半年以内(令和9年3月31日まで)に「届出」を完了しなければ、無許可営業として行政指導・罰則の対象となります。
  • 届出後も「1年以内」にコンクリート舗装等への設備改修が義務付けられるため、早急に専門家と協議し、適正化に向けた事業計画を策定することが不可欠です。

「群馬県でも今年10月からヤードの規制が始まるようだが、具体的に何を準備すればよいのか」

「とりあえず役所に書類(届出)だけ出しておけば、今まで通り営業できるのだろうか」

令和8年(2026年)3月、群馬県議会において「群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」(いわゆる群馬県スクラップヤード条例)が公布されました。施行日は令和8年10月1日に決定しています。

現在、群馬県内で金属くずや廃プラスチック類の屋外保管事業(ヤード)を運営されている経営者様の中には、「施行までまだ数ヶ月あるため、後から対応すれば間に合う」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、条例の許可基準を満たすための事前準備(他法令の適合性確認や図面作成)には、相応の期間を要します。

本記事では、条例施行を目前に控えた既存のヤード事業者様が、事業を継続しながら適正化を図るために今すぐ着手すべき事前対策と、実務上見落としがちなルールの注意点を行政書士が解説いたします。

 

 

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群馬県ヤード条例の規制対象となる事業所の要件

まずは、自社の事業場が条例の規制対象に該当するかを正確に把握することが第一歩です。以下の要件をすべて満たす事業所が、知事の「許可(既存事業者の場合は届出)」の対象となります。

【対象要件のチェックリスト】

  • 保管する物:使用を終了した「金属」または「プラスチック」、およびそれらを含む混合物(※廃棄物処理法上の廃棄物を除く)。
  • 保管の場所:屋外で保管、または屋外で破砕・切断・解体等の作業を行っていること。
  • 事業場の面積:敷地面積が100平方メートルを超えること(※隣接する複数の事業場は合算して算定されます)。
  • 重機の使用:油圧ショベル、または最大揚高が3メートルを超えるフォークリフト等の重機を使用して作業を行っていること。

事業場全体の面積要件だけでなく、使用しているリフトの「揚高(ツメが上がる高さ)」まで細かく規定されている点に注意が必要です。無許可でこれらの事業を行った場合、拘禁刑(懲役)または100万円以下の罰金という罰則が科される可能性があります。

 

既存事業者のスケジュールと「届出(みなし許可)」の注意点

令和8年10月1日の施行日時点で、すでに上記要件に該当する事業を行っている事業者様は、直ちに新規許可を取得する必要はありません。群馬県の条例に基づき、既存事業者の事業継続に配慮した「届出による経過措置(みなし許可)」という制度が設けられています。

具体的には、施行日から半年間(令和8年10月1日~令和9年3月31日まで)に群馬県へ所定の「届出」を行うことで、当面の間は許可を受けたものとみなされます。この届出を完了させることで、以下の猶予期間が適用されます。

  • 【半年間の猶予】保管基準等の運用ルール:積み上げ高さの制限(原則5m以下、敷地境界から一定の勾配内に収める等)について、令和9年3月31日まで適用が猶予されます。
  • 【1年間の猶予】構造基準への適合:高さ2m以上の構造耐力のある囲いの設置や、コンクリート・アスファルト等による不浸透性の床面整備について、令和9年9月30日まで適用が猶予されます。

※実務上の落とし穴:「届出を行えばすべて完了」ではありません

ここで実務上、多くの事業者様が誤解しやすい注意点があります。届出を行ったとしても、群馬県における設備改修の猶予期間は「施行日から1年間」と短く設定されています。

つまり、届出を済ませたとしても、来年(令和9年)の秋までには「床面のコンクリート舗装」や「基準を満たす2m以上のフェンス設置」を完了させなければ、条例違反となってしまいます。
さらに、半年間の届出期間(令和9年3月末まで)内に手続きを完了できなかった場合は、これらの猶予措置を一切受けられません。結果として、事業を適正化するためには、多額の初期投資を伴う「完全な新規許可手続」を一からやり直す必要が生じます。

 

既存事業者が「今すぐ」着手すべき3つの事前対策

届出期間の終了(令和9年3月末)まで余裕があるように感じられるかもしれませんが、期限内に確実な届出を行い、猶予期間内に設備を適法化するためには、今すぐ以下の対策に着手する必要があります。

① 土地の適法性の確認(農地法・都市計画法等のクリア)

ヤード条例の届出を行う大前提として、現在の事業用地が他法令に違反していないかが厳しく問われます。
現状が「農地の無断転用」や「市街化調整区域における開発許可等の未取得」であった場合、まずはその土地の適法化手続から進める必要があり、これには数ヶ月単位の時間を要します。実務上最大の障壁となり得る「土地の法令適合性」を、最も早期に確認する必要があります。

② 届出に添付する「専門的な図面」の作成準備

群馬県への届出には、事業場の実測に基づく正確な「求積図」「平面図」、および設備の「立面図」等の添付が求められます。手書きの簡易な見取り図等では受理されません。測量や図面作成を外部の専門家へ依頼する場合、現地調査から作成完了までに一定の期間を要するため、早期の着手が不可欠です。

③ 設備改修・ヤード運用見直しの計画策定

前述の通り、1年後には強固な囲いや不浸透性の床面を完成させる必要があります。また、半年後には厳しい保管高さの制限(境界線からの勾配ルール等)が適用されます。
今から「ヤード内の区画割りをどのように変更するか」「設備改修工事の費用とスケジュールはどうするか」といった具体的な事業計画を策定しておくことが、事業存続の鍵となります。

 

【令和8年6月開催】群馬県主催の事業者向け説明会について

条例の施行に先立ち、群馬県では対象事業者向けの説明会を県内3会場で開催することが決定しています。

  • 令和8年6月2日(火):県庁会場(前橋市)
  • 令和8年6月5日(金):太田会場
  • 令和8年6月10日(水):高崎会場

自社が規制対象となる可能性がある事業者様は、これらの説明会に参加し、県が求める規制の基準や手続きの概要を直接確認されることを強く推奨いたします。

※事前申し込みの期限に関するご案内
説明会への参加には、令和8年5月26日(火)までに県ホームページの専用フォームからの事前申し込みが必要です。(参加費無料)

▼お申し込み・詳細はこちら
【群馬県公式】「群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」に関する事業者向け説明会

 

まとめ:施行前の早期着手が事業継続の鍵となります

10月1日の条例施行前後や、来年3月の届出期限直前になりますと、行政の相談窓口は大変混雑いたします。また、実測や図面作成を担う専門家(行政書士等)へのご依頼も集中するため、期限内の対応が困難になるケースが想定されます。

  • 「自社のフォークリフトや事業場が対象要件に該当するか、正確に判定してほしい」
  • 「現在の土地(元農地など)で手続きが進められるか、適法性を確認したい」
  • 「図面作成から届出、今後の設備改修プランまで、専門家のアドバイスがほしい」

このようなお悩みをお持ちの事業者様は、特定再生資源屋外保管業の申請実務に精通した当事務所へご相談ください。

当事務所が事業者様の代理人として、対象要件の判定から他法令適合性の調査、複雑な図面の作成、確実な届出の提出、そして適正化に向けた今後のプランニングまで、事業継続をトータルでサポートいたします。まずは現在の状況をお聞かせください。

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